マダラスズ(コオロギの一種)。一年前、弟子屈町ポンポン山にその姿を探したのが「かっこいい道東」はじめての記事でした。一周年の記念に もう一度 春の景色を追いかけて、今度は阿寒湖畔は白湯山(はくとうさん)の噴気孔原(ふんきこうげん)を目指してみることに。道東に一年中春の場所なんてあるわけねえだろ、ふたたび。
こんにちわー。
なんとなく一周年を迎えた、かっこいい道東&高橋です。
なにかアニバーサリー的な記事はないか 話しあったのですが、
高橋「そんな真冬に春を探すような場所、道東にいくつもあるわけねえだろ…!」
ワンワンのおじちゃん「あるよ」
ということで、
かっこいい道東 ご意見番「ワンワンのおじちゃん」から教えてもらった、
冬の阿寒湖畔にある「一年中コオロギが鳴き、春のような景色が見られる場所」を、
探しに行くことにしましたー。
虫といえばこの人、
「近所の電柱でオオクワガタを捕った」と話す同級生を問い詰めた過去を持つ、
ライターTommyさん。二年目も一緒に小さな冒険、していきますよー。
4分弱の動画はこちらからどうぞ。
まず訪れたのは、
阿寒湖畔エコミュージアムセンター(以下、EMC・HPリンク)。
入口左手には、
阿寒摩周国立公園・阿寒地区の自然をダイナミック展示。
床の航空写真がおしゃれ、「アクティビティサロン」。
そのエントランスに、いきなりマダラスズさん。
冬でも鳴いてる元気なヤツ!
1年前、冬の道東に常春(とこはる)の天国を探す旅に出た では、
弟子屈町 ポンポン山へ、春の景色とマダラスズを探しにいきました! ▽
今回は場所を変え、阿寒湖畔の白湯山(はくとうさん)展望台にある、
噴気孔原(ふんきこうげん・地熱の影響で冬でも雪が積もらない場所)を めざしまーす。
阿寒湖畔はヒグマの出没地でもあります。
冬も情報を館内のボードでチェック!
ネットからはこちら 。(釧路市HP 釧路市内のヒグマ出没情報・リンク)
案内受け付けで、白湯山展望台への地図をいただきます。
対応していただいたのは、自然解説員の野竿 陽平さん。
そして、スノーシューをレンタル(2時間プラン 500円/終日プラン 1000円)。
一年ぶりなので簡単なレクチャーも受けます。
白湯山展望台入口までは 国設阿寒湖畔スキー場(HPリンク)を、
スノーシューで歩いて登りますよ。所要時間は約1時間半。
さあ、行きましょう!
▼ゲレンデを登る、という意味を知らなかった頃の無邪気な高橋
と、その前に。コンビニでアイスを買います。
真冬の道東にある 春の風景の中、アイスを食べる。
「映え」確定じゃないですか、やだー。(意識の高い「かっこいい道東」インスタグラムは こちら)
白湯山 編
白湯山
標高950mほどの山。阿寒湖畔スキー場から自然歩道を通って行くことができる。途中には温泉の流れる川やボッケなどがある。白湯山展望台は、白湯山の山頂から約500m東側にある「はげ山(標高788m)」にあり、地熱が高く、冬でも雪のない噴気孔原となっている。
(参照・阿寒湖畔エコミュージアムセンターHP内・自然紹介 リンク)
阿寒湖畔EMCから5分ほど、
阿寒湖畔スキー場の駐車場に到着。
空から白いものが降ってきましたが、気のせいでしょう。
白湯山に登る前にパトロールの方に会い、展望台へ行くことを伝えます。
「ザリザリですよー、気をつけて行ってきてください!」
と言葉をかけていただきました。ザリザリ?
室外温度計が示すのは、6度ぐらい。
いよいよ出発!
ふもとから向かって左側の初心者コースを、
滑って来る人の邪魔にならないように登っていきますよ。
登り始めて20分くらい。
普段なら阿寒湖が見渡せる絶好のビューポイント、
らしいのですが、雪にはばまれて見られず。
しかし、きっつい。
ザリザリに凍った氷の板の上に、雪が薄くかぶった状態。
立ち止まっても ずるずる滑り落ちる。急斜面も一気に登らないと落ちる。
一進一退の行程でした。
▼雪山を登り、「老い」の意味を知る 吐きそうな高橋
小一時間ほどかけて やっっっっと 白湯山展望台入口到着、ですが。
これ以上、無理。
高橋の体力限界&天候不良で、敗退です。
「かっこいい道東」、白湯山展望台 無念の未到達…!
その衝撃は世界をめぐり、Twitterで9いいね を獲得。
雪が凄く、展望台入り口で敗退! pic.twitter.com/PKQSxPOX38
— かっこいい道東 (@KakkoiiDoutou) 2018年3月12日
車内に戻って なんとも苦いアイスを食べました。
映えねえ…。
さて、スノーシュー返却のために、阿寒湖畔EMCへ戻ります。
高橋「体力限界&天候不良でダメでしたー」
と へらへらする高橋に、
野竿さん「・・・とても、賢明な判断だったと思います!」
とのお言葉。・・・これちょっとジーンと来ちゃいましたね。
やはり悔しさが胸にあります。
しかし!今回の旅はなんと二段構えの作戦!
みんな大好きマダラスズ(コオロギ)、ここ阿寒湖畔では
もっと行くのが楽な場所 で 見られるんです!
※今回の様に急な天候変化や雪崩などが山では起こりえますので、充分注意を払い、余裕を持って行動したいですね。
ボッケ遊歩道 編
ボッケ
地下から泥が火山ガスと共に吹き出て地上に盛り上がったり、あぶくの膜を破裂させたりする現象。「泥火山」。吹き出している泥は97度ほど。遊歩道の森はエゾマツやトドマツなどの針葉樹とカツラやミズナラなどの広葉樹が混じってできた森に、エゾシカやエゾリスなどの野生動物が生息している。ボッケとはアイヌ語で「ポフケ」(煮え立つという意味)からつけられた。
(参照・阿寒湖畔エコミュージアムセンターHP内・自然紹介 リンク)
およそ1か月前のおはなし。
実は今回の旅のため、前もって阿寒湖畔へ下調べに訪れていた高橋。
-20℃の厳寒の中、阿寒湖畔EMCの扉を叩いたのでした…。
野竿さんとは別の職員さんに対応してもらったのですが、
白湯山のことをお聞きしていると、衝撃の事実が明らかに!
職員さん「・・・つまり、マダラスズを見に行きたいんですよね?」
高 橋「はい」
職員さん「でしたら、『ボッケ遊歩道』でも保護していますよ?」
高 橋「えっっ!?(絶句)・・・白湯山展望台、行かなくてもいい?」
職員さん「はい、EMCから歩いてすぐです。そしてボッケ遊歩道では・・・」
高 橋「はい」
職員さん「エゾリスがみられるんですよ!」
高 橋「え?・・・あ、はい・・・」
たしかにセンター内には、
エゾリスに出会える確率(スタッフ調べ)
というあまり見慣れない展示がありました。
職員さん「『カリカリ・・・』とオニグルミをかじる音が聞こえましたら、います!」
高 橋「あ・あのマダラスz・・・」
職員さん「ぜひ歩かれる際、音に注意してみて下さい!」
人間って こんなに熱を持って なにかを人に伝えることができるんだ・・・というくらいの
エゾリス愛。
いや、もう正直に言うよ。
僕もね、個人的には、ですよ?
マダラスズより、エゾリスに会いてえ。
というわけで、阿寒湖畔EMCの 熱烈な推し、
エゾリス とマダラスズ に会いに ボッケ遊歩道へ行きます!
野竿さんにマダラスズまでの所要時間をお聞きすると、
「10分・・・いや 全力疾走で5分 です!」とのお答え。
あれあれ、全力疾走計算?
気力と体力を使い果たしたおじさんたちにまだ走れってことかな?
阿寒湖畔EMC、皆さんキャラが 強い。
館外に出てボッケ遊歩道へ。
一面が 降る雪にけぶる 淡い世界、美しい・・・!
心を失った悲しきヒットマンこと Tommy も
「What a Biutiful Akan……!」
(訳)高橋に無理やり連れてこられたけど、けっこう楽しい!
と思わず言ってしまうほど。
道すがらの木にまかれた 鹿防止ネットの手づくり看板、
かーわええ。
10分ほどでボッケに到着。
吹き出す泥は97℃ ほどとか。見ているとポコッ、と水面が波打ちます。
そして道をはさんだ向かい側に、
ありました!
マダラスズだけではなく、コオロギ類全般の保護柵のようですね。
立ち入れる範囲内でマダラスズを探してみます!
そして耳も澄ませてみますが、エゾリスのカリカリ音、聞こえず。残念。
しかし、たくさんの野鳥の声が聞こえますねー。いやされるー。
その時でした、 たった一つ、高橋が聞き分けられる「あの鳥」の声が・・・!
まさか、まさか・・・。
キター!雪降る中、奇跡の1枚。
シマエナガー 高橋、いままでの苦労が報われる一瞬でした。
エナガはここで見られるのはかなり珍しいとのこと、
シマエナガーの皆様はその点、お気を付けください。
アカゲラさんも はじめて撮影。
雪の中 結構探しましたが、マダラスズとは会えませんでしたー。
ですが 野鳥たちが去った後しばらくして、
冬の景色にコオロギの声を聞くことができましたよ!
たどり着けなかった白湯山展望台の噴気孔原。
しかしボッケ遊歩道にも地熱により雪がない場所が所々にあり、
存分におじさんたちの気持ちを「春」にしてくれました。
白湯山展望台への道、雪のない時期は歩きやすいそうなので、
再び訪れることを野竿さんと約束し、
今回の旅を終えることにします。
また来るぜ、阿寒湖畔。
阿寒湖畔エコミュージアムセンター 北海道釧路市阿寒町阿寒湖温泉1-1-1 TEL.0154-67-4100 FAX.0154-67-2568 開館時間 9:00~17:00 毎週火曜日休館(火曜祝日の場合翌日休館) http://business4.plala.or.jp/akan-eco/index.html
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